日本映画



題名 製作年度
監督・主演俳優
お勧め度 見どころ
ぐるりのこと 2008年橋口亮輔監督
木村多江、りり^フランキー・倍賞美津子・
☆☆
これも結構評価が高いようでしたが、前半のリリーフランキー、これがもう少し、芸術家としての彼、法廷画家としての葛藤など、もっと口数多く、丁寧に描かれていればよかったかなと。
最後はまあまあよかったです。でも見続けるのが少ししんどかった。
日本映画ってどうしてこうも情緒的なのが多いのかな。

細雪 1983年市川昆監督
岸恵子、佐久間良子、吉永小百合、古手川祐子、伊丹十三、石坂浩二。
☆☆ 最後はまあよかったけれども、1959年版の轟夕起子、京マチ子、山本富士子、叶順子、船越英二、菅原謙二、のほうが、時代を捉えていて面白かった。船場の商家のあと取り娘の立場と、入り婿の勤め人の夫を持つ姉たちの日常と日々縁遠くなる雪子、こいさんの奔放さが際立ち興味深かった。比較ができたのはよかったけれども、時代が違いますね。
理由 2004年
宮部みゆき原作大林宣彦監督
☆☆☆ 108人の証言からあるひとつの殺人事件が語られていきます。
もちろん原作のほうが面白いけど、映画もなかなかでしたよ。
役者がよかったですね。
out 2002年
桐野夏生原作、原田美恵子、倍賞美津子、室井滋、
☆☆☆ 原作とずいぶん違ってましたけど、まあまあ。倍賞美津子が健在でしたね。室井滋、原田美恵子、演技派女優の競演といった感じです。あの小説を全部映画化するのは時間的に不可能でしょうね。間かんぺいの佐竹はいただけませんでしたが。十文字役の香川照之はうまかったですね。
ゆれる 2006年
監督:西川美和
出演:オダギリジョー、香川照之、伊武雅刀、新井浩文、真木よう子、蟹江敬三、木村祐一、田口トモロヲ、ピエール瀧、田山涼成、河原さぶ
☆☆☆ 香川照之うまいですね。兄と父の元に久しぶりに戻る写真家の弟。幼馴染の彼女が吊橋の上から落ちて死んだのは、事故か、殺人か。真実はなんだったのか、謎が残りますが、見ごたえがありました。
才能があって都会で暮らす弟、実直で堅実に家業を守る兄、父もまた都会で弁護士として成功する兄と対照的に田舎の家を継いで暮らしてきた。それぞれの兄弟の葛藤。機械が好きで家族の映像を撮り続けて死んでしまった母親。落ちて死んだ彼女も、男に頼らざるを得ない生き方しかできない自分の母親や、死んだ彼らの母親のような生き方はしたくないと都会に出ようとしていた。そんなそれぞれの思いがぐっさりと突き刺さってきます。
脇もよかったですね。オダギリジョーが主役だけれど、香川照之がやっぱりすごい。彼は以前から注目の俳優です。
おじが蟹江敬三、父が伊武雅刀。
監督は若いのにあれだけ描けるというのはかなりの才能だと思います。
DEATH NOTE 2006年
監督:金子修介
出演:藤原竜也、松山ケンイチ、戸田恵梨香、片瀬那奈、マギー(ジョビジョバ)、上原さくら、池畑慎之介、藤村俊二、鹿賀丈史声優:中村獅童
☆☆☆☆ 前後編
予想外に面白かった。コミックの映画化ということで、まあ学生も面白いというから見てみようかと軽い気持ちで借りてきましたが、なかなかでした。
主人公の藤原竜也が魅力的、彼を追い詰める天才探偵Lの松山ケンイチが、不思議な味でいいですね。
手紙 2006年
東野圭吾原作
監督:生野慈朗
出演者:山田孝之 、玉山鉄二 、沢尻エリカ 、吹石一恵 、尾上寛之 、吹越満 、風間杜夫 、杉浦直樹
☆☆☆ 原作を読んでいたんですけど、これはよく出来た映画でしたね。
はじめの兄の強盗殺人の動機が小説と較べてあまりいろいろ語られてなかったので、ちょっと唐突な感がありましたが、ほかはかなりよく描けていました。ある部分は小説よりよかったわ。山田孝之適役だし、配役もよかったですね。
殺人者と、その家族の物語です。殺人を犯したものは、自分が刑に服し、心から反省するだけではその罪を償ったことにはならない、周りのものも理不尽なつらい目にあうこともひっくるめて償いをすることになるのだ。そして家族もそこから逃げていてはいけないのだという厳しい現実を、真正面から描いていて非常にいい映画でした。☆4つです。
明日の記憶 2005年
原作者:荻原浩
監督:堤幸彦
出演者:渡辺謙 、樋口可南子 、坂口憲二 、田辺誠一 、袴田吉彦 、吹石一恵 、松村邦洋 、及川光博 、渡辺えり子 、香川照之 、大滝秀治
☆☆☆☆ 広告代理店で働く渡辺謙、油の乗り切った、今まさに最高のコンディションで仕事が進もうとする矢先の発病。
彼の元で働く気鋭の部下たち、競争の激しい世界で家庭を顧みる暇なく仕事に打ち込んできた彼の苦渋が切々と伝わってきます。妻は孤独のなかで家と娘を守り、その果ての夫の発病。
彼女の選択は夫を介護しながらの再就職。昔やっていた陶芸の友人の伝で、働き始め次第に力をつけていく。
一人娘との和解。家族と過ごす日々。次第に進む病勢。
最後はある意味ほっとする結末でした。若い医師役の及川光博もよかったです。
自分たちの今を投影しながら見ました。
かもめ食堂 2005年
原作者:群ようこ
監督:荻上直子
脚本:荻上直子
出演者:小林聡美 、片桐はいり 、もたいまさこ 、マルック ペルトラ
☆☆☆☆ フィンランドのヘルシンキで、おにぎりをメインメニューにした日本食の食堂を始めたさちえ(小林聡美)。
そこに日本からの旅行者みどり(片桐はいり)とまさこ(もたいまさこ)がいい味で絡む。フィンランド人の男に、マリック・ベルトナー・マッティ(彼は「過去のない男」で以前見ましたが、この映画もお勧めです。あの雰囲気似ています。やはり、フィンランドなんですね。) 久々に気持ちがほっこり、さわやかな映画、小林聡美の持ち味が最高に生かされた映画でした。
人は結局は一人なんだけど、こういう形で関わりあえるんだな。
のんびり、ゆったりフィンランドの人たちと同じ時間の流れを生きるさちえの姿勢がしみじみ心に染み入ります。
13階段 2003年
監督:長澤雅彦
原作者:高野和明
出演者:反町隆史 、山崎努 、田中麗奈 、大杉漣 、別所哲也 、宮迫博之 、笑福亭鶴瓶
☆☆☆ 原作を読んでから見ました。原作のほうがよいのはいなめませんが、山崎勉、反町隆で○でした。原作を読まない人でも十分楽しめると思います。利は結構喜んでいました。犯行時刻の記憶を失った死刑囚。その冤罪を晴らすために刑務官・南郷は、前科を負った青年・三上と調査を始める。しかし手掛かりは、死刑囚の脳裏に甦った「階段」の記憶だけ。処刑までに残された時間はわずかしかない。2人は、無実の男の命を救うことができるのか。原作は江戸川乱歩賞受賞。死刑の是非について考えさせる。
39刑法第39条 1999年
監督:森田芳光
脚本:大森寿美男
出演:鈴木京香 堤真一 岸部一徳 吉田日出子 樹木希林 山本未来
☆☆☆☆ 刑法第39条「心神喪失者の行為は、罰しない。心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する」。 「心神喪失=無罪」を定めたこの条文をめぐってさまざまな論議がなされてきた。妹を殺された主人公は心神喪失で入院後釈放された犯人を許すことが出来ない。主人公は、この法律を逆手にとって、復讐を企てる。芸達者ぞろいの配役で、見ごたえ大いにありです。
安部一族 監督:深作欣二
出演: 山崎 努、佐藤 浩市、蟹江 敬三、真田 広之
備考  テレビドラマ。
☆☆☆☆ 映画だと思って借りたのですが。そんじょそこらの映画よりはるかに見ごたえがありました。
さすが深作欣二作品です。配役がまたいい。原作は森鴎外の「安部一族」。
 主君のために命を賭けて軍功を挙げ、高い地位にまで上り詰めた阿部一族。主君崩御により、阿部の家長も周囲の諸侯に倣い、不本意ながら殉死を遂げたが、それが後継の主君の殉死禁止令発布後であったために家督相続が制限されてしまう。故主君の一周忌、家長となった阿部兄弟の長男は、祭壇を前に元結いを切り落とし、新主君の仕打ちに対し公然と反意を表す。彼は平民として斬首され、遺志を汲んだ兄弟たちは晒し者にされた兄の首を強奪し、屋敷に籠城して主君の兵と一戦を交える。もとより勝ち目のない戦ではあったが、敵に味方の倍数の犠牲をもたらし、みごと彼らは一族郎党と共に玉砕する。
日本のサムライの美意識が見事に凝縮され、すばらしい。失われた日本人の美しさを実感する上でも必見のドラマです。最高にお勧め。
切腹 1962年
監督 小林正樹
出演 仲代達矢 、岩下志麻 、石浜朗 、稲葉義男 、三國連太郎 、三島雅夫
☆☆☆ これもさすがの小林正樹作品です。仲代扮する津雲半四郎と家老三国連太郎の凄絶なやり取りがすごい。持てるもの(家老を筆頭とした侍軍)の持たざるもの(主家の断絶で浪人となり、貧窮にあえぐ家族のために身を賭して、明日の糧をあがなおうとした娘婿)への残虐な仕打ちに対して物申す津雲半四郎。組織から外れてしまった人間の組織に対する痛恨の一撃。演技派の二人の対決が見もの。すごい時代劇があったものです。
上意討ち
拝領妻始末
1967年
監督 小林正樹
出演 三船敏郎 、加藤剛 、江原達怡 、大塚道子 、司葉子 、仲代達矢
☆☆☆ 上意によって会津松平藩の藩士、笹原伊三郎(三船敏郎)は、主君の側室お市の方(司葉子)を、長男与五郎(加藤剛)の妻に拝領せよと命じられる。拝領した妻は非の打ち所のないよい妻女になり、子供をもうけ幸せな日々を送っている。しかし藩主の跡継ぎが急逝し次男の生母であったお市の方を上意により返上せよと命じられる。理不尽さに怒る笹原伊三郎。時代は変わっても、組織対個人という図式は変わりませんね。
黒い家 監督:森田芳光
脚本:大森寿美男
出演:内野聖陽 大竹しのぶ 西村雅彦 田中美里
☆☆☆ 若槻慎二(内野)は生命保険会社の北陸支社で保険金の支払査定に忙殺されていた。ある日、顧客・菰田(西村)の家に呼び出され、期せずして子供の首吊り死体の第一発見者になってしまう。以来菰田とその妻・幸子(大竹)から執拗に保険金請求されるが、彼らの不審な態度から他殺を確信していた若槻は、独自調査に乗り出す。大竹忍が怖かったです。
ちえみちゃんは原作のほうが数倍よかったといっていますが、原作を読まなくても芸達者な大竹しのぶに◎です。